高速原子間力顕微鏡
サンプルスキャン型 NanoExplorer "SS-NEX" - Ando model -

~ナノスケールの世界を直接観る『高速(動画)原子間力顕微鏡』~





NanoExplorer (NEX)

高速原子間力顕微鏡 NanoExplorer* (NEX) -Ando model- は、金沢大学教授・安藤敏夫先生により開発された装置です。
従来型AFM**の最大の欠点である“走査速度の遅さ”を克服したことで、溶液中でしか起こり得ない反応や構造変化のリアルタイム動画観察を実現しました。

短時間で画像取得が出来るため、試料の揺らぎや振動に強く、基板への強固なアンカリングが不要になります。
このため、 生体試料の反応性を損なうことなく観察できます。

弊社従来製品(高速原子間力顕微鏡 Nano Live Vision : NLV)の高速性を引き継ぎつつ、設計を見直すことによりシステムのコストダウンを実現しました。
また、様々なオプションを揃えることでシステム構成をユーザーが選択できる自由度を高めました。



* NanoExplorerは、(株) 生体分子計測研究所の登録商標です。 ** Atomic Force Microscope (AFM) : 原子間力顕微鏡


Walking_myosinV
Walking_myosinV
bacteriorhodopsin (D96N)
rotorless F1-ATPase
‘歩く’ミオシン V
バクテリオロドプシンの
光励起に伴う構造変化(x10)
回転軸を取り除いた
F1-ATPase
(分子モーター)
の‘回転’構造変化

目次

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高速駆動スキャナ

  • 独自の共振防止メカニズムにより、従来型AFMの1000倍以上の速度で高速走査が可能です。
  • XYZ三軸の各ピエゾを独立して駆動させることで、高速走査時の歪みが少ないナノレベルのイメージングを実現しました。
  • 標準型スキャナの他に、溶液注入型スキャナ・広域型スキャナ・超高速型スキャナ等、目的に合わせて選択することができます。

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高共振周波数・低ばね定数の超微小カンチレバー

  • 長さ約10μm、液中での共振周波数は約500kHz、ばね定数は0.1N/mの微小カンチレバーを採用しています。
  • 生体試料等の柔らかい試料に損傷を与えることなく高速走査できます。
 

高速用極微小カンチレバー

共振周波数:大気中 1500kHz  溶液中 500kHz

ばね定数: 0.1N/m

先端曲率半径:<10nm

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高速で安定したフィードバック制御

  • 高速で高精度なフィードバック機構を採用したことにより、高速走査時における試料表面の精密かつ忠実な観察を実現しました。

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標準装置仕様

スキャン速度 50 ms / frame(20 frames / sec)
最大ピエゾ駆動範囲 X: 0.7 μm, Y: 0.7 μm, Z: 0.4 μm
試料サイズ 直径 1.5 mm
プローブ検出方式 光学検出方式(光てこ式)
スキャン方式 サンプルスキャン
観察環境 溶液中 / 大気中
制御方式 PID/ダイナミックPID制御
観察モード AC モード (形状像、位相像)
その他機能 スキャナアクティブダンピング、励振効率ドリフト補償

オプション

  • ユニット
光照射ユニット 近紫外光・可視光など、さまざまな励起光(350nm-560nm)を照射します。ケージド化合物や光異性化分子等を用いた実験に使用します。
灌流装置 ポンプを用いて送液と排液を同時に行うことで、pHやバッファー組成を徐々に変化させる装置です。観察中に溶液環境を変化させる実験に使用します。
温調ユニット 溶液を加温する実験に使用します。 対応温度 : 常温~50℃
※現在開発中、販売時期未定

  • スキャナ
標準型スキャナ 高い空間分解能・時間分解能が必要な、酵素反応や構造変化の観察に適します。
  • スキャン速度   : 50 ms / frame (20 frames / sec )
  • 最大ピエゾ駆動範囲 : XY : 0.7 μm × 0.7 μm, Z : 0.4 μm
広域型スキャナ 水平方向・高さ方向共に、広範囲観察が必要な実験に適します。
  • スキャン速度  : 1 s / frame
  • 最大ピエゾ駆動範囲 : XY : 4 μm × 4 μm, Z : 0.7 μm
超広域型スキャナ 水平方向、高さ方向共に従来型AFM並の広い観察領域が必要な実験に適します。
  • スキャン速度 : 10 s / frame (0.1 frame / sec)
  • 最大ピエゾ駆動範囲 : XY : 30 μm × 30 μm, Z : 1.2 μm

動画ギャラリー

※画像をクリックすると動画ページが開きます。

IgG

IgG抗体


マイカ基板上に緩く固定したIgG抗体の動画観察
DNA

プラスミド DNA


マイカ基板上に緩く固定したプラスミドDNAの動画観察
DNase

DNaseによるDNA分解過程の動画観察


(DNA : λDNA , DNA 分解酵素: endonuclease)
DNA digestion by Nuclease

Bal31 exonucleaseによるDNA分解過程の動画観察


(DNA : pUC18 プラスミド DNA , DNA 分解酵素: Bal31 exonuclease)
DNA Polymerase reaction

Phi29 DNA polymeraseによるDNA伸長過程の動画観察


(DNA:λDNA , DNA polymerase: Phi29)
Point defect in streptavidin 2D crystal

ストレプトアビジン二次元結晶格子中の空隙点欠陥のブラウン運動


ストレプトアビジン二次元結晶の点欠陥の拡散の動画観察

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高解像度イメージギャラリー

※画像をクリックすると拡大表示します。

免疫グロブリンA(IgA抗体)
免疫グロブリンG(IgG抗体)
ミオシンⅡ
免疫グロブリンA(IgA抗体)
70nm * 70nm
(*2)
免疫グロブリンG(IgG抗体)
150nm * 150nm
標準型スキャナ
ミオシンⅡ
500nm * 500nm
標準型スキャナ
ストレプトアビジン二次元結晶
GroELシャペロン
バクテリオロドプシン
ストレプトアビジン二次元結晶
90nm * 90nm
(*1)
GroELシャペロン
90nm * 90nm
(*1)
バクテリオロドプシン
40nm * 40nm
(*1)
脂質膜
350nm ポリスチレンビ-ズ
350nm ポリスチレンビ-ズ
マイカ基板上の脂質膜
3500nm * 3500nm
広域型スキャナ
350nm ポリスチレンビーズ
3000nm * 3000nm
広域型スキャナ
350nm ポリスチレンビ-ズ
900nm * 900nm
広域型スキャナ
大腸菌
プラスミドDNA
細胞分裂直後の大腸菌
3000nm * 3000nm
広域型スキャナ
プラスミドDNA
250nm * 250nm
標準型スキャナ

(*1) 金沢大学 安藤敏夫先生 ご提供
(*2) 国立感染症研究所 鈴木忠樹博士 ご提供


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論文紹介された動画データ

アクチンフィラメントに沿って‘歩く’ミオシンV




a., b. ミオシンV歩行運動の動画観察 ( a. 130 nm x 65 nm, b. 125 nm x 62.5 nm.) c. ミオシンV歩行運動の模式図


ミオシンVは細胞の骨格をつくるアクチンフィラメント上を移動し、細胞内小器官(オルガネラ)等を運ぶ役割を持っています。
高速AFMによりミオシンVの歩行運動の視覚化を実現し、これまでの研究で明らかにされてきた運動メカニズムを視覚的に証明することに成功しました。
ミオシンVは、その前脚に発生する張力により、回転運動を伴って後脚を前に踏み出します。
さらに、時折足踏みのような運動をすることなど、数々の新しい知見も得ることが出来ました。

N. Kodera et al. Nature 468, 72 (2010). Kanazawa University


バクテリオロドプシンの光励起にともなう構造変化



光駆動プロトンポンプタンパク質として知られるバクテリオロドプシン(bR)の光励起による構造変化の動態観察を行いました。
光反応サイクルが野生型bRよりも遅い変異bRを用いて、マイカ基板上に形成された紫膜にグリーンレーザー(532nm)を照射すると、bR分子は隣り合う三量体のbR分子の方に接近し、あたかも新しい組み合わせの三量体が形成されたかのように観察されます。
この変化は可逆的であり、光照射停止数秒後で元に戻るだけでなく、高い再現性で光応答して繰り返すことが確認されました。

M. Shibata et al. Nature Nanotech. 5, 208 (2010). Kanazawa University


ストレプトアビジン二次元結晶格子中の空隙点欠陥のブラウン運動




a. ストレプトアビジン二次元結晶の点欠陥の拡散の動画観察 b. ビオチン結合ユニットを示した模式図


ビオチンを含む脂質二重膜上のストレプトアビジン二次元結晶を形成し、結晶格子の点欠陥の拡散を観察しました。
点欠陥の拡散速度は、b軸に沿った拡散の方がa軸に沿った拡散よりも早いことが明らかになりました。
これは、ストレプトアビジン二次元結晶内の各結合サブユニット(u-u結合、b-b結合)の親和性が、u-u結合よりb-b結合の方が高いことを示しています。
このように、結晶内でのタンパク質挙動や、結晶成長メカニズムの議論が可能となります。

D. Yamamoto et al. Nanotechnology 19, 384009 (2008). Kanazawa University


文献リスト

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